「作(ざく)」の魅力は、鈴鹿山脈の伏流水と伊勢平野で育まれた良質な米を使用し、原料の豊かな味わいや香りを最大限に引き出しながら、キレの良さと柔らかな味わいを実現している点にあります。その華やかでフルーティーな香りは、ライチを思わせる爽やかさが特徴で、初心者にも親しまれています。また、「作」は国内外のコンテストで数多くの賞を受賞しており、その品質の高さが広く認められています。
おすすめの銘柄5選
「作」の中でも、特におすすめの5銘柄をご紹介します。初心者から上級者まで楽しめるラインナップで、各銘柄の特徴や評価も交えて解説します。これらの銘柄は、国内外のコンテストで高い評価を受けており、「作」ブランドの代表的な日本酒と言えます。それぞれ特徴的な味わいや香りを持っているので、好みに合わせて選ぶことをおすすめします。
作 穂乃智(ほのとも) 純米
すっきりとした瑞々しい味わいが魅力。ライチのようなフルーティーな香りが特徴的。冷やしても、常温でも、燗でも美味しく、季節を問わず楽しめる一本。
作 恵乃智(めぐみのとも) 純米吟醸
KURA MASTERで金賞を受賞しており、その実力は折り紙付き。しっかりとした味わいにフルーティーな香りが特徴の一本。洋ナシやリンゴを思わせる甘みが広がりつつ、さっぱりとした酸味が後味をきゅっと引き締める。
作 雅乃智(みやびのとも) 中取り 純米大吟醸
作 雅乃智(みやびのとも) 中取り 純米大吟醸は、特に搾りの工程にこだわり、最初の荒走りと最後の責めの部分を除いた、最も純度の高い中取りの部分のみを使用することで、クリアな仕上がりを実現しています。味わいは、華やかでフルーティーな香りが特徴で、滑らかな甘さと心地よい酸味のバランスが絶妙です。
槐山一滴水(かいざんいってきすい) 純米大吟醸
プレミアムシリーズの一つ。「槐山(かいざん)」は、滴水の「一滴水」(いってきすい)という概念に基づき、山川草木すべての存在が世界や森羅万象を具現化し、一滴の水にさえ仏の命が宿るという教えを体現しています。気高い理想の酒を追い求めることは、日々の酒造りへの真摯な取り組みと、その積み重ねによって実現されます。こうして、丁寧に醸された本品は、理想の味わいを形にした一品です。
特撰酒 大智 大吟醸
特撰酒 大智 大吟醸は、山田錦を40%まで精米し、低温発酵によって丁寧に醸されています。また、醪の自重だけで滴り落ちる雫を採取する雫取り製法を採用し、特別な仕上がりを実現しています。その味わいは、柑橘や黄桃、花々を思わせる華やかな香りが特徴で、透明感のある美しい味わいが際立ちます。洗練された甘みと瑞々しい酸味、豊かな旨味が口の中に広がり、飲み込むとほんのり苦味を感じた後、すっきりとキレていく絶妙なバランスを楽しめます。

国内コンテスト
| コンテスト名 | 年度 | 受賞内容 |
| 全国新酒鑑評会 | 2024年(令和5酒造年度) | 4年連続金賞受賞 |
| SAKE COMPETITION | 2017年 | 「作 穂乃智」: 1位、「作 玄乃智」: 2位 |
| ワイングラスでおいしい日本酒アワード2023 | 2023年 | 「作 槐山一滴水 純米大吟醸」: プレミアム大吟醸部門 最高金賞 |
| 「作 玄乃智 純米酒」: プレミアム純米部門 最高金賞 | ||
| 「作 なぐわし 鈴鹿神の穂」: プレミアム大吟醸部門 最高金賞 | ||
| 「作 穂乃智 純米酒」: プレミアム純米部門 金賞 |
国際コンテスト
| KURA MASTER 2023(フランス) | 「作 恵乃智」: 純米酒部門 プラチナ賞(決勝進出) |
| 「作 IMPRESSION-H 純米原酒」: 純米酒部門 金賞 | |
| 「作 槐山一滴水 純米大吟醸」: 純米大吟醸酒部門 金賞 | |
| 「作 なぐわし」: 純米大吟醸酒部門 金賞 | |
| IWC (International Wine Challenge) 2023 | 「作 奏乃智」: 純米吟醸酒の部 金メダル |
| 「作 雅乃智 純米吟醸」: 純米吟醸酒の部 銀メダル | |
| 「作 穂乃智 純米酒」: 純米酒の部 銅メダル | |
| 「作 玄乃智 純米酒」: 純米酒の部 COMMENDED(大会推奨酒) |
伊勢志摩サミットと「作」
2016年5月26日に開催された伊勢志摩サミットの初日ワーキングランチで、乾杯酒として選ばれたのが「作 智(さとり)純米大吟醸滴取り」でした。このお酒は、三重県産の山田錦を40%まで磨き、小仕込みで丁寧に醸造された逸品です。エレガントで華やかな香りと、クリアで洗練された味わいが特徴で、多くの人々の印象に残る酒として注目を集めました。
サミットでの採用をきっかけに、「作」は全国的な知名度を得て、一躍人気ブランドとしての地位を確立。清水清三郎商店の社長は、この機会について「三重の酒を知ってもらうまたとない機会になりました」とコメントし、大きな誇りを感じたことを述べています。
現在でも「作 智 純米大吟醸滴取り」は「作」シリーズの最高峰に位置付けられ、その希少性の高さから特別な一本として知られています。

清水清三郎商店
清水清三郎商店は、三重県鈴鹿市に位置する歴史ある酒蔵で、「作」というブランドの日本酒を製造しています。この酒蔵は明治2年に創業され、鈴鹿市の若松地区に位置しています。創業者である清水清三郎氏は元々漁業を営んでいた網元でしたが、その後、酒造りに転身しました。鈴鹿山脈からの清らかな伏流水、伊勢平野からの米、そして海上交通の利便性など、鈴鹿の地は酒造りに非常に適した環境を提供しています。

2000年11月に「作」という新ブランドが誕生しましたが、当初は順調に行かなかったものの、アニメ「機動戦士ガンダム」のファンからの注目を契機に次第に人気が高まりました。その後、「作」ブランドは多くの賞を受賞し、国内外で評価を得るようになりました。たとえば、2022年の「世界酒蔵ランキング」では第2位を獲得し、「KURA MASTER 2022」ではプラチナ賞と金賞を受賞しています。さらに、2024年の「令和5酒造年度 全国新酒鑑評会」では4年連続で金賞を受賞し、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2024」でも複数の賞を受けています。
清水清三郎商店は「作 兵庫愛山 純米吟醸」などの高品質な日本酒を製造しており、「作 MONAD」「作 穂乃智」「作 竒瑞」など、さまざまな銘柄を展開しています。これらの日本酒は多くの日本酒ファンに愛され、高い評価を受けています。
また、清水清三郎商店は鈴鹿市唯一の酒蔵としてその伝統を守りつつも、革新を追求しています。酒造りに対して高いモチベーションとプロ意識、さらにはチャレンジ精神を持って取り組み、日本酒業界全体の地位向上を目指しています。伝統的な酒造りの技術と革新的なアプローチを融合させた「作」ブランドは、日本国内外で高く評価されており、今後もさらなる成長が期待されています。
「作」の種類と特徴
「作」にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる魅力があります。純米大吟醸、純米吟醸、特別純米など、異なるシリーズの特徴を詳しく見てみましょう。各種類の飲み方としては、冷やして楽しむのが一般的ですが、特別純米はぬる燗にすることでより一層深い味わいを楽しめます。
| 商品名 | 特徴 |
|---|---|
| 作 玄乃智 純米 (精米歩合60%) | “青リンゴのようなフレッシュな香りとキレのある酸味が特徴。お米の優しい甘みが広がり、後に心地よい酸味が残る純米酒。 |
| 作 穂乃智 純米 (精米歩合60%) | 爽やかでバランスの良いライチのような香り。米の旨味を感じつつ、後味はすっきりとキレが良いです。軽やかな甘みとのど越しが心地よい純米酒。 |
| 作 恵乃智 純米吟醸 (精米歩合60%) | 洋梨のような華やかな香りと、滑らかな甘味と旨味が特徴。酸味がふくらみ、さらりと消えるキレの良い後味が楽しめる純米吟醸酒。 |
| 作 奏乃智 純米吟醸 (精米歩合50%) | 爽やかですっきりとした香りと透明感のある味わい。優しいフルーティーな甘味を感じながらキリッとした冴えた印象を残す。 |
| 作 雅乃智 純米吟醸 (精米歩合50%) | 搾りの工程で一番クリアな中取りのみを瓶詰め。果実味豊かな華やかな香りと透明感のあるエレガントな味わいが楽しめる。 |
| 作 陽山一滴水 大吟醸 (精米歩合40%) | 「一滴の水にも仏の命が宿る」という教えから名付けたプレミアムシリーズ。柔らかな味わいと爽やかな香りが楽しめる大吟醸です。 |
| 作 槐山一滴水 純米大吟醸 (精米歩合40%) | 「一滴の水にも仏の命が宿る」という教えから名付けたプレミアムシリーズ。槐のように気高く上品な味わいと心地よい余韻を持つ純米大吟醸です。 |
| 作 愛山/雄町/神の穂 純米吟醸 (精米歩合55%) | 「作 愛山」は兵庫県産の「愛山」を使用。 「作 雄町」は岡山県産の「雄町」を使用。 「作 神の穂」は三重県産の「神の穂」を使用。 |
| 大智 大吟醸 滴取り (精米歩合40%) | もろみを入れて吊るした小袋からしたたり落ちる滴だけを集めて瓶に詰めた滴取り。手間と時間とをかけてじっくりと醸された、究極を求めて到達した逸品です。 |
| 智 純米大吟醸 滴取り (精米歩合40%) | もろみを吊るした小袋から滴る雫のみを集めた滴取り。優美な香りが楽しめる純米大吟醸です。『G7 伊勢志摩サミット 2016』の乾杯酒に採用されました。 |
| 杜氏特別秘蔵酒 笙大吟醸 滴取り (精米歩合40%) | 杜氏・内山智広氏が情熱と技を注ぎ込んだ最高品質の酒。贅沢な原料を用い、手間を惜しまず丁寧に醸した「作」の頂点。深みのある香りと気品溢れる味わい。 |
| 作 Z 純米吟醸 (精米歩合60%) | フルーティーな香りとキレの良い後味が特徴の純米吟醸酒。ワインボトル型の瓶を採用し、日本酒をカジュアルに楽しむ新たなシーンを演出します。 |
| 作 インプレッション (N50%、M、G、H 60%) | 火入れながらも生酒のようなフレッシュな風味を再現した「作インプレッションシリーズ」。搾りたてを瓶詰めし、開栓時に華やかな香りと微炭酸が広がります。「N/中取り」「M/恵乃智」「G/玄乃智」「H/穂乃智」の異なる味わいを冷やして楽しみます。 |
| 作 FLINT 純米吟醸 (精米歩合60%) | “ヤマトタケルを救った火打ち石「FLINT」を銘にした純米吟醸酒です。ふくよかな香りとキレの良い味わいが楽しめます。 |
| 作 モナド 純米吟醸 (精米歩合55%) | “宇宙を映すような理想を目指して醸した純米吟醸酒。洋梨や青りんごを思わせる香りと爽やかな後味が広がります。 |
| 作 なぐわし 純米大吟醸 (精米歩合45%) | 限られた特別の場所で生産された酒米(神の穂、山田錦、白鶴錦)を使用する数量限定品のシリーズ。それぞれの良さを繊細に見極め、その魅力を引き出します。 |
| 作 KIZUI(奇瑞) 純米大吟醸 (精米歩合35%) | 「奇瑞」とは、ワクワクする出来事の前兆を意味します。穏やかで爽やかな香りと、残像のように消える独特な後味が楽しめる純米大吟醸。 |
| コンセントレーション 作 (精米歩合60%) | 「concentration 作 凝縮 H」は、純米酒「作 穂乃智」と三菱ケミカルの最新技術「KonKer™」の融合で生まれたお酒です。 |

初心者でもわかる!日本酒「作」の種類とおすすめ銘柄5選のまとめ
「作」の日本酒は、多彩なラインナップと高い品質で多くの日本酒愛好家に支持されています。その魅力は、フルーティーな香りから繊細な味わいまで幅広く、初心者から上級者まで楽しめる一本が揃っています。また、これからも新たな銘柄が続々と登場することが期待され、ブランドとしてさらなる進化を遂げていくでしょう。この記事で次に試してみたい「作」の銘柄を見つけ、ぜひその奥深い味わいを体験してみてください。
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